てぃーだ平和ネット ~沖縄県議会~

PARLIAMENT ACTIVITY 議会活動

  • 一般質問
  • 山里 将雄

令和4年第3回沖縄県議会(定例会)

2022年7月12日

「令和4年第3回沖縄県議会(定例会)」のアイキャッチ画像

 やる気満々で来たのに、腰を折られた気分でありますけれども、ちょっと議長休憩お願いします。


 それでは質問させていただきます。
 まず1、沖縄復帰50年を迎えてについてでございますけれども、今年は沖縄復帰50周年を迎え、去る5月15日には沖縄の本土復帰50周年式典が行われました。50年を迎え、終戦から復帰までの苦難の道、復帰後、沖縄の歩んだ50年を県民が振り返り、復帰前の沖縄を知らない若い人たちに伝えていくいい機会となったと思います。同時に、今もなお続く沖縄が抱える問題を改めて浮き彫りにして考える機会でもありました。
 そこでお聞きしますけれども、(1)、平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書についてア、復帰50年を迎えた今の沖縄について知事の所感をお伺いします。


 ありがとうございます。
 これまでにも知事は答弁しているところであるんですけれども、こういった思いというのは沖縄県民、みんなが共有できる部分ではないかというふうに思っています。
 続けてお伺いします。
 イ、新たな建議書は50年過ぎた今の沖縄の現状と課題、それから県民の願い、未来への希望など十分に入れ込めたか、建議書に込めた知事の思いを伺います。ちょっと重複するかもしれませんけれども、お願いします。


 ちょっと休憩お願いします。


 ありがとうございます。
 50年前の復帰措置に関する決議書、これはいわゆる屋良建議書と言われているものですけれども、これに「沖縄に存する米軍基地は、民主主義の原理に違反して、県民の意思を抑圧ないし無視して構築、形成されてきたものであり」、「その基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し、平和を脅かし、経済の発展を阻害している」というふうにあります。これは新たな建議書の第1章でも取り上げられているものなんですけれども、屋良建議書にはこうもあります。「そればかりでなく、いわゆる「基地公害」や米軍人軍属の犯罪、基地があるがゆえに発生する人権侵害の問題は、さらに深刻であります。空からトレーラーが落下したり、ジェット機が墜落したり、基地から流れ出た廃油によって井戸水が汚染されたいわゆる「燃える井戸」、米軍の演習等による流弾事故、米軍人軍属により頻発する交通事故による人身傷害、婦女子が殺傷、暴行されたり、また、原子力潜水艦による放射能汚染、ミサイル発射演習による漁業への影響等々、その数は枚挙にいとまがありません」。このように書かれているんですね。
 これは本当に今の沖縄そのもの、今の沖縄の状況をそのまま言っているような感じがして、私は本当に愕然とする思いがあるんですけれども、今の沖縄、空からいろんな物が降ってきています。飛行機やヘリコプターの部品、小学校に窓枠が落ちる。水筒とかコンテナまで落ちてきました。ヘリの不時着も頻繁に起きています。最近も国頭のほうで起こりました。それからPFAS、毒性のある物質が基地から垂れ流されている。事件・事故も後を絶たない。そしてつい最近、金武町の民家で米軍の演習の流弾と思われる弾が見つかったと。本当に今も枚挙にいとまがないという状況であります。
 社会資本の整備は進んで、生活環境は大きく変わったかもしれませんけれども、根本的には沖縄の現状は変わっていないということ、とりわけ米軍基地が集中し、米軍関係の事件・事故が多発し、県民の生活に大きな影響を及ぼしているという現状は変わらないということを改めて認識をさせられました。今回復帰50年で新たな建議書を表す意義、必要性は何だったのかお伺いします。


 50年たった今、また新たな建議書をつくらなければならなかった、それを著さなければならなかったというのは、やはりこの沖縄の現状、いまだにひどい状況がまだ続いているということだというふうに理解をしております。
 新たな建議書の「5 平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議」の章で、「建白書の趣旨も踏まえ、在沖米軍基地の更なる整理・縮小、日米地位協定の抜本的な見直し、基地の県外・国外移設、事件・事故等の基地負担の軽減、普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念等、構造的、差別的ともいわれている沖縄の基地問題の早期の解決を図ること」と表現しています。
 沖縄が抱える不条理に対して、知事が思っている、知事の強い気持ちが表れているのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。


 50年前、屋良建議書に込めた沖縄の思いは届かず、50年後の今に課題を残すこととなりました。新たな建議書に込めた知事の、ひいては沖縄県民の思いは内外にしっかりと発信していく、後世に伝えていくということが必要になると思います。
 そこで聞きますけれども、ウ、新たな建議書をどう伝え、活用していくかお伺いします。


 いろんな方法で伝えていくということは聞いていますけれども、ぜひこれはああいった学校現場での活用等々、若い世代にその思いをしっかり伝えるように、今後も取り組んでいただきたいと思います。
 次ですけれども、新たな建議書では辺野古の新建設問題にも言及をしております。3のほうですね。「いまだ残る課題」の章で、辺野古新基地建設に係る政府の対応は、民主主義の根幹に関わる重大な問題を顕在化させました。建設に反対する民意が民主主義の手続により明確に示されているのにもかかわらず、工事が進められています。法令により、権限と責任を委ねられた知事が行った処分が、国により取り消されるという事態が生じています。地方自治の観点から大きな問題がありますと表現されています。本当にそのとおりだというふうに思います。
 (2)ですけれども、沖縄防衛局が提出した公有水面埋立地用途変更・設計概要変更承認申請に対し、県が不承認としたことについて、現状と今後の対応方針についてお伺いします。


 先ほども言いましたけれども、辺野古新基地は、これまで民意を無視して今建設が進められています。翁長前知事が埋立承認を取り消して、そして今、国地方係争処理委員会に諮られている玉城知事の下した設計変更不承認に対して、国のこの対応はまさに民主主義を無視して地方自治を否定するものであります。今後、国地方係争処理委員会の結果によって対応していくということになると思うんですけれども、玉城知事の後ろには辺野古新基地建設に反対する圧倒的民意があります。そのことを忘れずに毅然と対応していただきたい。それを申し上げてこの建議書については終わりたいと思います。
 2については先ほど言いました、ウクライナについては取り下げさせていただきます。ただ、これは今多くのウクライナ国民が国外へ避難しておりまして、日本にもたくさん来ております。これからも来ると思います。沖縄でも受入れが多くなってくると思いますので、長期に及ぶことも視野に入れながらしっかりと県には対応していただきたいということを要望したいと思います。
 それじゃ3ですけれども、北部広域医療センターの進捗状況についてお伺いします。


 この北部広域医療センターについては、ちなみに私は北部名護の選出でございますので、これからもずっと聞いていきたいというふうに思っているんですけれども、2月に第2回協議会で279億程度の整備費用がかかるという試算を示しているんですが、その財源については前議会の段階ではまだ決まっていないということだったと思っています。頂いた資料がここにあるんですけれども、この中では既存の補助制度では負担が大きいということで、新たな補助制度を国に求めると、お願いするということになっています。そのことについて少し、御説明していただきます。
 それから見通し、その補助制度、補助金が獲得できるかどうか、見通しについても少しお聞かせください。


 今の説明であった新たに要請している補助金なんですけれども、これと既存の場合と、その差額が幾らになるか今答えられますか。さきに言っていないので、もし今資料がないというのであれば、後で知らせていただいて結構ですけれども。もし分かるのであれば。


 ありがとうございます。
 北部医療センターについては、職員の問題が以前から指摘されているんですけれども、既存の診療科目に加えて新たな診療科目を設定するということになっています。当然ながら職員の数も必要になってきますけれども、両病院の正職員の転籍意向調査では77%ということになっているようです。去年の調査より多くなっているようですけれども、その辺がちょっと気になるところですが、必要な職員が確保できるのか、その見通しについてお伺いします。


 しっかり取り組んでいただいて、期待したいと思います。
 それじゃ最後に1つだけ、ずばり聞きますけれども、2028年度の開院、これ予定どおりということでよろしいですね。


 ありがとうございました。
 それじゃ次、4のGIGAスクール構想についてお伺いをいたします。ちょっと休憩をお願いします。


 それではGIGAスクール構想について。
 国の進めているGIGAスクール構想ですけれども、義務教育については、2020年度に前倒しで実施をされています。しかし、拙速な実施となって課題が今残っているというふうに認識しているんですけれども、その中において、この4月から高等学校において1人1台の学習端末が――PC、タブレットの購入が求められているという状況です。さきの2月定例会で我が会派の瑞慶覧功議員の代表質問に、金城前教育長が、高校生のタブレットについては購入費用の一部を助成するという答弁がありましたが、改めて高校生の学習端末、タブレット、PCの公費負担についてお伺いします。


 原則としては個人負担ということは分かるんですけれども、沖縄のそういった非常に経済的に厳しい家庭が多いという状況を踏まえれば、やはり県として何らかの対応が必要だと思うんですよね。4月19日に、名護市議会から要請があったと思います。名護市議会では決議をしていますけれども、その要請内容を少しお聞かせください。


 これは名護市議会ですけれども、ほかの市町村議会からも同様な要請が来ていると思うんですが、その状況はどうですか。


 石垣だけなんですね。しかし、ここに書いてあるとおり、やはり各市町村がその対応に非常に苦慮していると思います。保護者からもいろんな声が来ていると思いますので、ですからこういった決議をなされるというふうに思っていますので、本当にその辺はお考えいただきたいというふうに思います。
 (2)ですけれども、学校現場の状況についてお伺いします。
 4月から始まったんですけれども、学校現場では混乱なくそれが対応できているのか。そこをお答えください。


 先ほどの答弁にもありましたけれども、確保するのが難しい生徒には貸出しをしていると答弁があったんですけれども、どれくらいの数――これまだ始まっていないんですかね。もう始まっている。どれくらい対応していて、どれくらいその準備があるのか。要するに十分なのか、その辺はどうでしょうか。


 せめてそこはしっかりとやっていただきたい。でも、先ほど言ったとおり、やはり県の助成というのは、真剣に考えていただきたいというふうに思います。
 それから、名護市議会の要請の中の最初に、先ほど答弁ありましたけれども、国はGIGAスクール構想の高等学校への拡充に必要な予算措置を行うことということも含まれていまして、皆さんとしては、県の教育庁として、国との折衝といいますか、国への働きかけ、沖縄の特殊事情を配慮した、そういった取組が国にも必要だと思うんですけれども、そのことについて国との調整とか、そういうことは行っているんでしょうか。


 ぜひ国ともしっかりと調整していただきたいというふうに思います。
 この件については終わりまして、次、我が会派の代表質問との関連について通告しておりますのでお伺いします。
 まずは、上里善清議員の代表質問の農業についてに関連して、ゆがふ製糖についてなんですけれども、上里議員の代表質問の回答では、令和2年の農業生産額は910億円程度ということでしたが、その生産額については答弁がなかったように思うんですが、サトウキビの生産量、それから生産額の推移等、答えることができたらお願いします。


 サトウキビは、前から沖縄にとっては非常に重要な基幹作物だというふうに思っているんですけれども、今生産量伸びていないといいますか、大体同じ水準だという答弁でしたが、県にとってこのサトウキビの生産というものはどんな位置づけとなっていますか。これからやはり伸ばしていかなければならない、そういう位置づけでしょうか。


 老朽化が進んでいるこのゆがふ製糖は本島唯一の工場ですから、早期の建て替えが必要ということは共通の認識だと思っています。その建て替えについて、県としては、既存の補助事業は事業主体の費用負担が大きいと、難しいというふうに言っておりましたけれども、高率補助の要望をしているということでしたが、その見通しについてはいかがですか。


 最近、会派でゆがふ製糖の皆さんと少し意見交換をする機会があったんですけれども、県がそういうふうに取り組んでいるということについては感謝しているということでしたが、老朽化が進んでいることから事業化が見通せていないということに非常に不安を持っておられるということでした。ぜひ早めに事業を推進して、沖縄の農業振興の基盤をつくっていただきたいというふうに要望して終わりたいと思います。
 次に、比嘉京子議員の代表質問、知事の政治姿勢についてに関連してお伺いします。
 知事の4年間の成果や実績、2期目への思い、決意、それに関連してなんですけれども、知事に就任して4年間で多くの公約を知事は実現しました。経済や教育、離島振興、何より復帰50年間変わらず県民に押しつけられている基地問題に全力で取り組んできたと思っています。またそんな中で、就任後4年の間に豚熱の発生、首里城正殿の火災、新型コロナ感染拡大、軽石漂着と異常な事態が次々と発生し、これまでの知事も経験したことのない状況が続いたということでありました。困難な状況に向き合った4年間だったと思います。次々に起こる事態に、県職員と共に取り組んだその手腕は高く評価されてしかるべきものだと私は思っています。
 これまで代表質問や一般質問で4年間の実績について質問、答弁がありましたが、改めて知事の4年間を振り返っての所感をお伺いします。


 知事は、北部の振興についてもたくさん取り組んでいただきました。北部圏域の振興について知事はどのような思いで取り組んで、そして何が達成できたかお伺いします。


 本当に北部についてもたくさん取り組んでいただきました。感謝申し上げたいと思います。
 最後に、知事は2期目の出馬を決意なさっています。2期目に向けて北部圏域、北部振興についてどのように取り組むお考えか、お伺いします。


 共に頑張っていきましょう。終わります。