てぃーだ平和ネット ~沖縄県議会~

PARLIAMENT ACTIVITY 議会活動

  • 討論
  • 玉城 健一郎

令和5年第4回沖縄県議会(定例会)

2023年12月22日

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ただいま議題となりました乙第7号議案「沖縄県水道料金徴収条例の一部を改正する条例」に対して、てぃーだ平和ネットを代表いたしまして、賛成の立場から討論をいたします。
昨今の物価高により、県民生活が苦しくなっている中、値上げというものに慎重になるべきというのは言うまでもありません。県民誰もが使う水道だからこそ、水道料金を適切な価格にして、将来にわたって安定給水を維持しなければなりません。それを保障するのが今回の値上げであります。物価高騰による値上げラッシュ、それに追いつかない賃金上昇、この影響は県民生活に大きな影響を与えています。それは企業局も同様であり、建設工事費は1993年から2020年の間に1.39倍になっており、また電気料金の単価も同期間の間に1.49倍となっています。電気料金は今後も上昇が見込まれています。
企業局の事業運営の特徴として、本島においては北部の取水地と中南部の消費地が離れており、管路延長が全国平均の約2.1倍、ポンプ台数が約3.8倍、調整池が約3.6倍と多くの施設を保有しています。本島周辺離島においては、海水淡水化施設による水処理など、給水原価に占める動力費の原価が高くなる傾向にあります。また、経年劣化した施設の改修の予算の確保が重要となっています。なお、公益社団法人日本水道協会が出している水道料金の都道府県別平均料金によると、全国平均10立方メートル当たり1610.5円に対し、沖縄県は1491.7円となっており、全国平均よりも安くなっています。
そしてこれまで経営努力を行っており、1993年から約30年にわたって定員管理の適正化及び動力費の低減など、各種施策を推進し、経費縮減に取り組んできました。人件費については84名もの定員削減を図り7.8億円、支払い利息は企業債の借入抑制、繰上償還による支払い利息軽減により21.8億円、運転管理効率化や省エネ対策推進及び小水力発電の導入による動力費の削減により2.7億円、これらの取組で計32.3億円の経費削減を行ってきました。もともと、企業局の収支は、2021年までは黒字で良好でありましたが、ロシアのウクライナ侵攻や世界的な原油需要の高まりによる原油高によって2020年より厳しくなり、今年度の2023年は約17億円の赤字を計上すると予測されています。それに伴い、内部留保資金も減少し、2024年に必要な企業償還金約37億円が賄えない計算となっています。公営企業法の規定により、公営企業は独立採算制の原則があり、料金収入で運営されることとなっています。したがって、今後も安心・安全な水道水の供給を維持していくために、料金改定はやむを得ないと考えています。
2022年1回、2023年3回、受水事業者であります市町村と意見交換をしてきました。時期の延長、改定幅の圧縮、段階的改定の要望を踏まえ、当初2024年4月からアップする予定だったものを延長し、改定幅を引き下げつつ段階的な改定をすることとし、2024年10月1日から1立方メートル当たり23円、2026年4月1日から1立方メートル当たり10.46円となりました。さらに、2024年10月から2025年3月までの料金については、重点支援地方交付金を活用して約4円の減免をすることとし、受水事業者と県民生活への影響を最小限にとどめることとなっています。
最後になりますが、前回の値上げの議事録を確認いたしました。賛成討論も反対討論も、県民生活に影響が出ないようにという指摘をしつつ、企業局に対して、自助努力による財政安定化を求めてまいりました。この議会からの指摘に従って、県民生活への影響を最小限にするため、試行錯誤しながら身を切る改革を行い、他府県は値上げをする中、この30年間値上げをしなかった。この事実を評価いたします。ただ、この流れを止めることなく、さらなる経営改革を行い、安価で安心・安全な水を県民に届けていただきたいと思います。
以上、賛成の立場から討論とさせていただきます。議員諸公の賛同をよろしくお願いいたします。